1106今は亡き酒乱だった父は生き通しで私を常に守ってくれていた

 

  私にはアルコール依存症の父親がいました。
幼い時からお酒に酔って暴れる父に怯えながら生活をしていました。

 仕事には行かず、女の人を作っては借金をする父に愛想をつかし、
私が17歳の時、母と妹と三人で夜逃げという形で家を出ました。

 母方の家系は代々生長の家を信仰しているので、最低な父親だと思う反面、
感謝しなければいけないと心の中では思っていました。

 19歳の時に受けた浄心行で、「父は私達の業を消してくれる観世音菩薩だったんだ」
と生まれて初めて父親に感謝することが出来ました。

 それからしばらく会っていなかった父に会うことになりました。
父は今までに見せたことのないような優しさで私に接してくれ、
「これが本当のお父さんの姿だったんだな、今まで寂しい思いをさせてしまってごめんなさい、
ありがとう」と思うことが出来ました。 

 二ヶ月に一度くらいの頻度でしたが、一緒にごはんを食べに行ったり、買い物に行ったりしました。
そんな父が今から一年半前に亡くなりました。本当にショックでした。

 幼い時はお酒に溺れ、母や私を睨みつけたり、手を上げたりしていた父でしたが、
思い出されるのは家を出てからの優しい父の姿ばかりでした。

 父が亡くなったことを思い出すのが本当に辛かったので、父のことを私の心の中から消しました。
そんな中で、職場から10日間お休みを頂けることになったので、宇治の練成会に行きたいと思いました。

 阿部先生のご講話の中で、
「どんな亡くなり方をしても、その人の魂の成長にとって一番ふさわしいこと」
というお言葉を聴いた時は涙が止まりませんでした。

 父は神の子であって、死はないんだ。 生き通しの命なんだ。
父や私の魂の成長にとってこれが一番良かったんだと思うことが出来ました。


それから神想観で父のことを思っても辛い、悲しいという気持ちは自然と出てきませんでした。
そして浄心行では再び父に対しての感謝の言葉を素直に唱えることが出来ました。

 私は心の中で父の死をずっと掴んでいたことに気付きました。
この10日間は本当に悦びの生活で、
「お父さんも神の子で、私も神の子なんだ。現象はないんだ。ありがとうございます」
と心の底から思うことが出来ました。

 今回、宇治に来ることが出来たのも、永代供養をした父が導いてくれたのかなと思います。
本当に悦び、感謝の気持ちでいっぱいです。家に帰ってもこの気持ちを忘れず、
いつも父に見守られているから大丈夫という思いで、悦んで三正行を実践していきたいです。


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