1048,全てを失った時に見えてきた一筋の光

9月一般練成会 発表日:H26.9.20

  私は今回の練成会にプライベートの事情でどうにも身動きが取れなくなり、
着の身着のまま逃げ出し、全てを失ってしまった上で両親より安全の確保と心を落ち着かせ、
整えるようにと勧められ、九月十五日より参加させて頂きました。

 宇治の本山へお世話になるのは十九歳の時に一般練成会へ参加させて頂いて以来
十六年ぶりの事でした。

 正直、世間の目に見えない渦に巻き込まれ、肉体の官能と物欲に溺れ、
自身の素直な心から来る言葉を口に出せず、自身の虚栄心と保身のために
人にも自分にも嘘をつき続けてきた今の自分が非常に情けなく、恥ずかしく、
その気持ちから初日は全く何に対しても前向きになれず、一切の行事に
参加が出来ていない状態でした。

 なんとか行事に参加しても、なまし生長の家の教えを知っているがために
「お前の信仰は薄っぺらい、教えを知っていても知識としてあるだけ
その証拠にお前は何もかも失い、大切な人々を傷付け、惑わし、振り回しても、
のうのうと情けない姿をさらしているではないか」と言われているようで、
教えの全てが胸に突き刺さり、二日目までは非常に苦しい状況が続いておりました。

 特にダメだったのは笑いの練習です。
笑いの練習で笑おうとすると 
 「こんな状況で沢山の人々を傷付け、振り回し、二人の流産児を出した上で、
年老いた父母に後始末をさせて、お前はのうのうと笑っていて良いと思っているのか?」
と別の自分が囁いて責めるのです。
自分はその自分に負け、笑いの練習は全て逃げ回っていました。

 三日目の九月十七日、長田先生へ個人指導を申込み、自身の内にある思いを全て吐き出しました。
長田先生は私の話を静かに聞いていらっしゃいましたが、私の話しが終わると
「あなたは非常に愛されている。けれども愛されているという自覚がない。
そして常に愛に飢えているから他に愛を求めてしまうんです。
しかし、愛されている自覚がないままでは他に、外に愛を求めても同じことを繰り返してしまうのです。
自身が愛されているということを自覚し、愛せる自身になりなさい。
そして最終的には自身を嫌う人々も愛せる自分になりなさい」
とのお言葉を聞いて、
振り返ってみれば自分は求めるばかりで、自分の周りの人々
にきちんと与え、大切にしていなかったことに気付き、
暗い気持ちの中に一筋の光が差し込んで来ました。

 その日の水子さんの供養で二人の流産児たちに名前をつけ、供養を行った時、
「君達二人と、お母さんに何も私はして上げられず、それどころかこの世界に生を享けさせてあげられず、
何より愛してやれなくて本当にすまなかった」という気持ちが溢れ、涙が止まらなくなりました。

 また、母が相談していた関係から、阿部先生にもお話を聞いて頂き、
「相手を現象面で救おうとするのではなく、相手の実相を拝み、その幸せを心から祈りなさい、
そうすれば自ずと道は開けてきますよ」
 とのお言葉を頂き、自分自身の誤りの原因と、
これから向かうべき先が更に見えてきたように感じました。


 四日目の九月十八日、同じく練成を受けていたTさんに強引に約束させられ、
笑いの大会に渋々参加した私は、最初はやはり「こんな自分が、こんな所で笑って良いのだろうか」
という思いから笑えませんでした。
正直、何で笑えたのかは未だに分りませんが、気が付いたら笑っていました。
そして、二人の流産児達に「済まない、済まない」と心の中で詫びながら、また、泣きながら笑っていました。

 笑いの大会で感情を吐き出した後、私の心はいつしか随分と軽くなっていました。
それもこれも指導して下さった長田先生、阿部先生をはじめとする諸先生方、
練成を受けながら話を聞いて下さったTさん。Sさん、O君、班長をはじめとする練成会ご参加の
喫煙所、夜更かしグループの皆様、そして研修生のNさん、その他、
声をかけて下さった大勢の方々のお陰です。
どれだけ感謝をしてもしきれません。
何より私をここへ再び導き、誘って下さった父母のお陰です。

 お二人には少し早いですが、旅立たれるまでにこれまでのご恩と愛に報い、
親孝行を必ずしたいと考えています。

 今後、まずは自身の状況に対してしっかりと地に足をつけて向き合い、きちっと決着をつけると共に、
御教えに触れ続け、お聖経の読誦と神想観を必ず続け、新天地にて裸一貫から
やり直したいと考えております。

 御教えの中に「罪は無い」というお言葉がありますが、今の自分はこの言葉に甘えて
自身の行った不誠実で軽率な行いから目を背け、逃げる事だけはしてはならないと思います。

 これから生涯、自身が傷付け、惑わせてしまった方々のこれからの平穏と幸せ、
そして二人の流産児達の安らかな眠りを願い、祈り続けていきます。


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