『宇治だより』 第3号 昭和55年3月15日
あゝ魂の故里宇治に感泣す
香川県教化部長 ( 当時 ) 金戸 栄
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合掌、ありがとうございます。
涙に頬伝うほどの懐かしく恋しい故郷をもつ人の心は常に洗浄される---
何と名言だろう。私達の人生に於いて心に故里をもっているものは
初々しく輝いている。
嬉しいときに真先に飛んで行って喜びを語り、悲しいときに心からの
慰めと癒しを与えてくれるのが故里である。
私はその故里を聖地宇治の地に見出した。
宇治別格本山宝蔵神社に鎮まります、神々と神格を得た高級の御霊達の霊波は
大光明となって、全身全霊を包み給いて母の懐のような暖かさと安らぎを
与えてくれる。正に天国であり大地である。
私達の辿りし生命の史と美が納まっている感じをしみじみと味わうことが出来る。
私は毎月のように宇治を訪れている。宇治は私を呼ぶ、先祖の声なのかも知れない。
宇治別格本山の霊庭、自然の山々、静かに遥かなる国史を語り続ける
宇治川の流れ、これらは私の懐かしい心の友となった。
私の訪れるのを待っている。
川は流れを変えて私の足の運ぶ方に嬉しそうに誘ない寄り添うてくる。
山の樹々は一斉に大合唱をはじめる。
宝蔵神社の社殿は七彩の光を放ち、霊庭に曼荼羅華の雨が降る。
祀られている先祖の御霊達の歓びの声、天楽となりて吾が魂に鳴り響く。
誰が名付けたか宇治、宝蔵の地は実相荘厳極まりない相が
地上に再現された感動を覚える。
自己の魂が切に願って生まれてきたのが祖国日本国であり、
内なる已むに已まれぬ愛国の至情がその扉を開いたのが
御教えとの出合いである。
そして我等を護り給い導き給う祖霊在しますのが宇治の地である。
私は今年もコツコツと宇治別格本山の上求参道を歩く!!
魂の故里だから感泣しながら歩くそこに魂に活力を与えてくれる泉がある!!
甘露の法雨が鳴り響いている!!嗚呼。