平成15年5月31日

UJI 花散歩 弐百五拾六

蜜蜂科学の常識をかえる現象―キンリョウヘン

 東洋蘭のキンリョウヘン(金稜辺)は、中国南部の原産とされていますが、耐寒性がシンビジュウムの中では抜群で、屋外で充分に越冬できます。5月頃に咲き、花色は褐赤色です。草姿はミニで葉は厚く光沢があり、花のない時でも観葉植物として楽しめます。最近、このランが巣別れした日本蜜蜂の捕獲用として役立つことで話題になっています。(智泉荘周辺)

*キンリョウヘンの蜜腺―シンビジュウムの花には蜂が訪れないのが普通です。もし蜂が訪れるとすると、花に来るのではなく花の付け根にある蜜腺にやってきて花の中には入りません。これらのランの蜜腺は花を食べる動物を花に近づけないように蟻を呼び寄せる目的で作られたと考えられています。花の中には蜜腺はないのです。このシンビジウムの仲間に江戸時代から栽培されてきたキンリョウヘン(金稜辺)がありますが、この花に日本蜜蜂の働き蜂がやって来て、蜜のない花の中に体を入れ、花粉塊を背中につけて巣に帰ります。花粉塊をつけたまま次の花にもぐり込むことになるので、ランは日本蜜蜂によって花粉媒介をしてもらっていることになります。本来、蜜や花粉を集めない雄蜂もやって来て働き蜂同様花に体を入れ、背中に花粉塊をつけます。結果的に雄蜂も花粉媒介をしていることになり、蜜蜂科学の常識をかえる現象として注目されています。













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